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Parchment Journey vol. 1
羊皮紙紀行 Vol.1 〜 エルサレム ヴェラム探訪


* ヴェラム = 仔牛の皮で作る「羊皮紙」

イスラエルは、ヴェラムが今でも各所で製作販売されている国です。筆者が知っているだけでも、15軒の業者が存在します。
用途は、ユダヤ教の経典など聖なる文書を書くために用いられるため、私のような部外者にはほとんど公開していません。購入はおろか、訪問さえも許可してもらえなかった所もありました。
今回(2008年6月)、エルサレムのユダヤ人カリグラファーの案内によって、ヴェラムショップ2軒と製造工場1軒訪問することができました。


エルサレム旧市街にて



イスラエルでは今でもユダヤ教の経典トーラー(旧約聖書の最初の5書)はヴェラムに筆写されたものが生産、使用されています。


ヴェラムのトーラー(嘆きの壁にて)

ヴェラムのトーラー(ダビデ王の墓にて)


ヴェラムショップ

ショップは、エルサレム市内のある町の路地裏にひっそりと存在しています。2軒とも普通のアパートの建物の中にあり、そのうち1軒は白いドアがあるだけで看板もなにもありません。


ショップのある町

ヴェラムのストック

購入したヴェラムと羽根ペン

購入したヴェラム(毛側)


ヴェラムの選定をする人



ヴェラム工場

エルサレムから車で30分ほどの郊外のあるのどかな村に、ヴェラム製造工場があります。
各パートごとに4人の職人が作業をしていました。皆敬虔なユダヤ教徒です。
ここでは、特にトーラーに使用するヴェラムは特別なタグがつけられ、製造の時点から完全に聖別されています。
ヴェラム1枚の工程は、作業開始から終了まで通常3ヶ月かかるところを、トーラー用のヴェラムは実に6ヶ月間かけて全工程を手作業で行います。また、工程を早めずに、自然によく乾燥させて、じっくりと寝かせておくことで品質がよくなるそうです。


工場近くの風景

原料ストック


石灰漬け後の乾燥

削り作業



死海文書 〜イスラエル博物館〜

イスラエルと言えば、多くの人が「死海」を思い浮かべます。死海ほとりのクムランで1947年にベドウィンの少年が偶然発見した死海文書のコレクションがイスラエル博物館の「死海写本館」に収められています。
死海写本館は、下の写真にあるようなタマネギ形の特別展示施設です。中は薄暗く、写本が周囲にぐるりと展示されています。写本は前述の羊皮紙のようではなく、茶色いなめし革(レザー)です。酸化や汚れなどで真っ黒になっている写本もありましたが、全体的に非常に薄い皮でした。


死海文書


死海写本館

クムラン (隣国ヨルダンから死海対岸を望む)

イスラエルは羊皮紙が古代から現代まで使用されている非常に珍しい国であり、一回の訪問では到底全てを網羅することはできません。これからも調査を継続し、またいつかテーマを絞って是非再訪したいと思います。

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