羊皮紙専門サイト 羊皮紙工房
本文へジャンプ
サイトマップ   English  
羊皮紙の使い方

ここでは、羊皮紙のさまざまな用途や、使い方、加工の方法などをご紹介します。
羊皮紙は、基本的には普通の紙のようにお使いいただけますが、用途に合わせたさまざまな調整も可能です。

ここでご紹介する方法等はあくまでも目安です。好みや作品作りの方法は人それぞれですので、「こう扱わないといけない」わけではありません。参考資料としてご活用ください。

目次 (クリックするとジャンプします)
■ 羊皮紙の用途 ■ 使用できる画材・接着剤 ■ どちらが「おもて」?
■ 粗さの調整・薄くする ■ 羊皮紙キャンバスの作り方 ■ 羊皮紙パネルの作り方
■ 脱脂 ■ にじみ止め ■ 染め方
■ プリンター印字 ■ 保管の仕方



■ 羊皮紙の用途

羊皮紙の現代の用途の一例をご紹介します。
絵画、カリグラフィー、製本、パーチメントクラフト、小物・アクセサリー、インテリア、家具、名刺、証明書、修復、学校教材、護符、写真背景、写真素材、楽器(打楽器、弦楽器など)



■ 使用できる画材・接着剤

基本的に何でも使用できます。中世の「絵具」であったテンペラ絵具はもちろん、油絵具、水彩、ガッシュ、ポスターカラー、パステル、墨、インク、鉛筆、ボールペンなどなど。
ただし、以下の注意点がございます。

※ 羊皮紙は植物紙よりも表面が固く、毛穴の凹凸や加工の際の削り粉などがある場合もありますので、ペン先の摩耗が早くなる可能性があります。
※ 水彩などで水分を多く含んだ絵具を広い面積に使用する場合は羊皮紙が水分でうねります。その際はキャンバス張りまたは板張りした状態でご使用ください。

接着剤も、ヤマトのり、アラビアのり、木工用ボンド、にかわなどでしっかりくっつきます。



■ どちらが「おもて」?

羊皮紙には、もともと「毛側」と呼ばれる毛が生えていた方と「肉側」と呼ばれるもともと肉が付いていた(身体の内側)側があります。どちらを「おもて」として使えばよいのでしょうか。

特徴としては、毛側は硬くつるつるしていて若干プラスチックっぽい感じで、肉側は多少柔らかくざらつきがある感じです(ものによりますが・・・)。毛側は絵具やインクをあまり吸い込まず、肉側は吸い込み具合が毛側よりも高いです。それぞれのメリットは次のようになります。

・ 毛側: あまり吸い込まないので絵具の発色がよい(色が沈まない)。
・ 肉側: 吸い込むので絵具やインクが固着しやすい


毛側にインクを乗せた様子(乾燥前)


肉側にインクを乗せた様子

中世・近世の公文書やユダヤ教の巻物などは、「発色」よりも「固着」(長持ちさせること)を優先しているため大部分が肉側に書かれています。

また、装丁に使用する場合は、一般的に丈夫な毛側を表にして装丁をします。中世の写本はページものですので両面活用していました。



■ 粗さの調整・薄くする

羊皮紙の特徴のひとつは、「自分の好みに合わせて加工できる」ことです。厚さの調整および表面の粗さの調整は、サンドペーパーを使って行います。

<薄くする>
羊皮紙を薄くしたい場合は、60番くらいの粗目のペーパーで削ります。ある程度薄くなったら240番くらいをかけ、次に以下の表面性の調整を行います。

<表面を調整する>
買ったばかりの羊皮紙の毛側は滑らかで硬めです。絵具やインクの乗りをよくしたい、パステル画用に粗目にしたいなどの場合は、400番のペーパーまたは600番のペーパーをかけます。(肉側は、600番よりも粗目をかけると荒れる可能性があります。)



サンドペーパーで削り(研磨)


毛側を削った様子(上半分)

逆にツルツルにしたい場合は、1000番くらいのペーパーで磨きます。つるつるの石(めのうなど)で磨いてもテカテカになります。ビザンティンの写本にはこのようなテカテカ羊皮紙が使われています。



めのう棒で磨いているところ


テカテカ羊皮紙

薄くしたり、粗さの調整をしたときに、表面が荒れすぎる場合もあります。そのような場合は、いったん羊皮紙を水に濡らして、以下のキャンバス張り技法で乾燥させると回復できます。ただし、サイズはひとまわり小さくなります。



■ 羊皮紙キャンバスの作り方

水彩画や、その他絵具を広範囲に塗る場合、絵具の水分で完成後の羊皮紙にシワが生じます。それを防ぐために、羊皮紙のキャンバスを作ります。また、分厚い羊皮紙を削って薄くした後にもう一度表面を滑らかに整える際にもこの方法を使います。

1. キャンバス木枠を用意し、羊皮紙を各辺3cmほど大き目に切ります。
2. 羊皮紙を水につけて濡らします。


3. 羊皮紙をキャンバスの縁に当てて、引っ張りながらホチキスでガシガシ止めていきます。

こんな感じ。ホチキスのほかに、鋲などを使うともっと見栄えはよくなります。

4. ホチキスを打ち終わったところです。キャンバスの縁部分が余るので、はさみで切ります。

切ったあと。


5. 乾燥させれば完成です。手順3で引っ張りが不十分だと、乾燥した際にシワがよる場合がありますので注意。

羊皮紙が小さい場合、 小さい木枠にピンで留めてもOK



完成したキャンバスに絵を描いて、完成後はそのまま展示してもよいし、切り取って使用することもできます。



■ 羊皮紙パネルの作り方

上記羊皮紙キャンバスと同じく、水彩画やその他絵具を広範囲に塗る場合、絵具の水分で完成後の羊皮紙にシワが生じるのを防ぎます。このまま額装して飾ることもできます。木の板に直接羊皮紙を乗せると、羊皮紙を濡らしたときの水分で木のシミが羊皮紙につくので、それを防ぐために間に画用紙を挿入します。

1. 板、画用紙、一回り大きい羊皮紙を用意します。
2. 羊皮紙の四隅を写真のように切ります。

3. 羊皮紙を濡らします。


4. 下から、羊皮紙、画用紙、板の順に重ねます。


4. のりしろにのりを塗ります。

5. 羊皮紙を引っ張りながら板に貼っていきます。

6. 全部貼ったところ(貼る順番は適当)。

7. 乾燥させて完成。




■ 脱脂

文字や絵を描くときに手がふれた箇所などに指の脂がつく場合があります。脂がついた箇所にインクを乗せるとはじいて文字が書きにくくなります。その場合はパミスの粉(軽石の粉)をまぶして、ふき取ると脂が除去されます。



インクをはじく場合にパミスをまぶす(白い粉)


左がはじいた文字、右がパミスまぶし後

あまりにも脂がひどい場合は、アセトン(ネイルの除光液)を水に混ぜて羊皮紙を浸しておきます。その後上記のキャンバス張りで乾燥させます。



■ にじみ止め

羊皮紙表面が粗い場合、インクがにじむ場合があります。その場合はガムサンダラックの粉をまぶして、ふき取るとにじみ止めになります。刷り込みすぎると、逆にインクがはじかれますのでほどほどに。



ガムサンダラックの粉


左がにじんだ文字、右がサンダラックまぶし後



■ 染め方

白い羊皮紙のほかに、紫の羊皮紙で作成された写本があります。元々ビザンティンの皇帝のための写本用に特別に作られていたもので、神聖ローマ帝国の写本にも用いられています。紫は皇帝の色として、特別な写本のみに用いられました。

貝から採取した貴重な「貝紫」で染色したものもあれば、ブラジルウッドなどの染料で染めたものもあります。
ここでは、ブラジルウッドの染料で染色する工程をご紹介します。

ブラジルウッドの木を煮てた染料
羊皮紙を15分くらい染料に浸す
(冷めた状態で)

木の枠にピンで留めて
伸ばしながら乾燥
完成!!

様々な染料で染めた羊皮紙

ここに銀泥や金泥で文字を書きます。以外と簡単にきれいに染まるものです。



■ プリンター印字


羊皮紙は家庭用インクジェットプリンターで印字可能ですが、以下の点に注意が必要です。

・ 羊皮紙の厚みは一定ではなく、分厚くなっている箇所があることがあります。お使いのプリンターが分厚い用紙に対応していることをご確認ください。

・ 羊皮紙は湿気などにより反りや歪みが発生します。反っている状態でプリンターに通すと、プリンターのヘッドに当たり、紙詰まりとなり、羊皮紙がグ チャグチャになります。特に名刺サイズ羊皮紙はヘッドに引っかかりやすいので注意が必要です。印字前に反っている場合は、逆方向に丸めるか羊皮紙の上に辞書など重い本を重ねて数時間置いて平らにします。または、温かい 息を反っている凸側に吐きかけると反りが戻りますので、平らになっている間に素早く印字します。



■ 保管の仕方

羊皮紙は湿度によって反ったりうねったりします。それを極力抑えるために、カットしてある羊皮紙は、ビニールやクリアファイルなどにいれて湿気を避けて保管します。フルサイズの場合は丸めて湿気を避けて保管します。羊皮紙に適した湿度は40〜60%といわれています。


< Home  | 羊皮紙ショップ >


   Copyright (C) 2013 Youhishi-koubou. All Rights Reserved.